カーボン業界の今後

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普段なじみのないカーボン業界ですが、私たちの生活に関係する製品が多く生み出されています。

個別株の投資対象になるかカーボン業界を見ていきたいと思います。

目次

カーボンとは

カーボンとは炭素のことです。カーボン業界は炭素関連製品や黒鉛を製造する業界です。

車、航空部品、土木建設、風力発電、スポーツ、レジャーなど様々な業界でカーボン製品が使われています。

主な製品にSECカーボンのアルミニウム製錬用カソードブロックや東海カーボンのカーボンブラックなどがあります。

カーボン製品の例

黒鉛化カソードブロック

SECカーボンが製品化している、アルミニウム製造の時に使われる炭素性の製品です。非黒鉛化カソードブロックに比べ電力の削減効果があります。アルミニウム製錬用黒鉛化カソードブロックのSK-Bは世界シェアの4割を誇ります。

まだ非黒鉛化カソードブロックのアルミニウム製造製品を使っている工場も多く、今後、需要が期待できます。

カーボンの強みと弱み

カーボン製品の強みは、軽くて強いことです。鉄やアルミよりも軽くて強いです。

カーボン製品の弱みは価格が高いこと、デザインの自由度がないこと、リサイクルがしづらいことなどです。

カーボン業界の主な上場企業

カーボン業界の主な上場企業はSECカーボン、日本カーボン、東海カーボン、東洋炭素となります。

売上規模としては、東海カーボン、東洋炭素が多く、特に東海カーボンは他の4社に比べて頭一つ抜けている印象です。

PER、PBR、配当利回りなど指標面から図る割安度としては、SECカーボン、日本カーボン、東海カーボン、東洋炭素など4社とも全体的に割安ですが、SECカーボンの割安度が特に目立っています。

稼ぐ力を見るROEについては、4社とも10%前後になっています。それなりに稼ぐ力はあると見ていいようです。

財務の健全性としては、SECカーボンと東洋炭素の自己資本比率80%越えはかなり財務的にしっかりしている印象です。

証券コード5304:SECカーボン

株価:2,158(2024/09/06終値)

時価総額:447 億円

2025年3月度年間売上予想373億円

主な事業セグメント(2024年3月度の年間売上)

  • アルミニウム製錬用カソードブロック……売上226億円
  • 人造黒鉛電極……売上61億円
  • 特殊炭素製品……売上36億円
  • ファインパウダー及びその他炭素製品……売上9億円

予想PER……7.3 倍

PBR……0.6 倍

予想配当利回り……4.63 %

ROE……10.79 %

自己資本比率……83.0 %

証券コード5302:日本カーボン

株価:4,260(2024/09/06終値)

時価総額:504 億円

2024年12月度年間売上予想430億円

主な事業セグメント(2023年12月度の年間売上)

  • 炭素製品関連……売上346億円
  • 炭化けい素製品関連……売上23億円
  • その他……9億円

予想PER……11.5 倍

PBR……0.91 倍

予想配当利回り……4.69 %

ROE……8.52 %

自己資本比率……63.0 %

証券コード5301:東海カーボン

株価:846.3(2024/09/06終値)

時価総額:1,904 億円

2024年12月度年間売上予想3,700億円

主な事業セグメント(2023年12月度の年間売上)

  • 黒鉛電極……売上602億円
  • カーボンブラック……売上602億円
  • ファインカーボン……売上1,484億円
  • スメルティング&ライ二ング……売上828億円
  • 工業炉及び関連製品……売上156億円

予想PER……12 倍

PBR……0.49 倍

予想配当利回り……3.54 %

ROE……8.58 %

自己資本比率……50.7 %

証券コード5310:東洋炭素

株価:5,170(2024/09/06終値)

時価総額:1,085 億円

2024年12月度年間売上予想540億円

主な事業セグメント(2023年12月度の売上)

  • 特殊黒鉛製品……売上240億円
  • 一般カーボン製品(機械用カーボン分野)……売上40億円
  • 一般カーボン製品(電気用カーボン分野)……売上49億円
  • 複合材その他製品……売上182億円
  • 商品……売上22億円

予想PER……14.3 倍

PBR……1.21 倍

予想配当利回り……2.32 %

ROE……9.29 %

自己資本比率……87.4 %

カーボン業界の特徴

カーボン製品は売上比率については海外が高い傾向にあります。そのため、為替の影響を受けます。円安になれば、売上、利益は増えますが、円高になると、売上、利益は減る傾向にあります。 また、原材料で石油や炭素繊維を利用していることが多いため、資源価格の動向により利益が変動します。

まとめ

カーボン製品は鉄やアルミなどと比べ、軽くて強い製品群なので、今後も需要はなくなることはないでしょう。また、値段の高さやリサイクル技術の発展など、カーボン製品の弱みを打ち消すような新しい技術が起こってくれば、さらにカーボン製品は市場に普及していくでしょう。

カーボン業界は、景気の変動に影響を受ける市況関連のシクリカルな業界とは言えますが、炭素製品は今後も増え続ける傾向にあると考えられます。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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