障害者手帳は役所が発行する福祉支援のようなものです。障害者手帳を持っていると様々な支援が受けられます。具体的には、税金が安くなったり、博物館・映画館などの施設が割引価格や無料で利用できるようになります。障害者手帳は取得できるなら取得する方がよいと思います。
障害者手帳について
障害者手帳には、身体障害者手帳、療育手帳、精神福祉障害者手帳の3種類があります。一定の障害がある人ならば、医師の診断書を市役所や区役所などの障害福祉課へ提出することにより取得が出来ます。実際には申請書を書く必要があります。まずは、かかりつけの主治医に障害者手帳を申請できるか確認してみましょう。
特に医者から障害者手帳を取得した方がいいですというお話はないかもしれません。なので、自ら率先して取得していかないと取得できません。
等級について
障害者手帳には等級と言うものがあります。身体障害者手帳は1級~6級、療育手帳は「重度」と「それ以外」、精神障害福祉手帳は1級~3級に分かれています。各等級によって受けられるサービスに違いがあります。
※身体障害者等級は7級と言うものがありますが、7級は障害者手帳の交付範囲ではありません。7級が2つある場合は交付の対象になります。障害者手帳の認定基準については、詳しくは厚生労働省のページを参照してください。
障害者手帳について
引用:厚生労働省よりhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/techou.html
メリット
税金が安くなります
所得税、住民税で控除など税金が安くなる制度があります。
引用:国税庁ホームページより No.1160 障害者控除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1160.htm
※確定申告で障害者控除のチェックを入れる必要があります。
※お勤めの人は会社に障害者手帳のコピーなど提出する必要があります。(会社が代わりに確定申告をしてくれます。)
相続税が安くなります
相続を受けるときに障害者控除があります。
引用:国税庁 No.4167 障害者の税額控除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4167.htm
贈与額が一定金額まで非課税になります
生活費等に充てる場合、一定金額まで非課税となります。特別障害者である特定障害者の人は6,000万円まで非課税です。特別障害者以外の特定障害者の人は3,000万円まで贈与税がかかりません。
詳しくは国税庁のホームページを参照してください。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/03_2.htm
税金についての詳細は以下を参照ください
詳しくは国税庁のホームページを参照してください。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/03_2.htm
または、税理士等にご確認してください。
鉄道やバスなど公共交通機関が割引または無料になります
鉄道やバスなど公共交通機関が割引または無料で利用できます。例えば、都内在住者であれば、都営地下鉄や都営バスが無料で利用できる都営交通無料乗車券を発行できます。自分の住んでいる地域についての詳細は、お住まいの市役所、区役所の障害福祉課に確認してください。
新幹線の乗車券が割引になります
こちらは身体障害者手帳、療育手帳を持っている人のみ対象でしたが、2015年4月1日より精神障害福祉手帳所持者も対象となります。同伴者も割引になる制度もあります。詳細はJRのホームページで確認してください。
タクシー、飛行機などの交通機関が割引になります
私の住んでいる自治体では、タクシーに乗車するときに、障害者手帳を見せると1割引きになります。
残念ながら今の制度では飛行機は早割の方が安いようです。しかし、キャンセル料が無料だったり、直前の予約では通常の予約よりも安かったりするため、使いどころはあるようです。同伴者も同伴者割引というものがあります。
高速バスが割引になります
バス会社によって異なりますが、同伴者も割引になる制度もあります。精神障害者は適応されないバス会社もあります。
公共施設や民間施設が割引または無料で利用できます
博物館、動物園、美術館、スポーツ施設、映画館など公共施設や民間施設が割引または無料で利用できます。お出かけの際は調べてみてください。
私は近くのプールが無料だったので、よく利用していました。ちなみに映画は1,000円で鑑賞できます。
障害者雇用枠で就職できます
就職には一般雇用枠と障害者雇用枠があります。企業は法定雇用率という障害者を一定の割合数雇わなくてはいけない義務があるので、障害者雇用は従業員を多く採用している大手企業に入社しやすい可能性があります。
障害者雇用では障害者へ障害に応じた合理的配慮を行うことが義務付けられています。例えば、残業をなしにしてもらう。 通院の配慮を貰う。 障害特性に合わせて個別に配慮を貰うなどがあります。
これは大きなメリットだと思います。もちろん、クローズと呼ばれる一般雇用枠で就職することも可能です。
失業保険の給付期間が長くなります
身体、知的、精神の障害者は就職困難者と認定されて、一般の健常者より給付期間が長くなります。被保険者期間が1年未満の場合150日、被保険者期間が1年以上で45歳未満の場合は300日、被保険者期間が1年以上で45歳以上、65歳未満の場合は360日の給付が受けられます。詳しくはハローワークにご確認ください。
障害者グループホームへ入居することができます
障害者グループホームに入居する際には、障害者手帳が必要になります。詳しくは市役所や区役所の障害福祉課に確認してください。
3大キャリアの携帯基本料金やWi-Fiが割引になります
この場合は、格安SIMに契約した方が安上がりになります。格安SIMでは障害者割引は行っていません。
公営住宅に優先的に入居できます
公営住宅は人気のため抽選を行っていますが、障害者手帳を持っていると抽選で優遇されます。身体障害者については、バリアフリー化された住宅に入できます。ただし、所得制限がある場合があります。
NHKの受信料が割引または無料になります
障害者手帳を持っていて世帯全員が非課税世帯の場合、NHK受信料が無料になります。視覚障害者・聴覚障害者が世帯主の場合は半額免除になります。詳しくはNHKのホームページを参照してください。
高速道路料金が割引になります
身体障害者と知的障害者の場合は、高速道路の利用料金が割引になります。
医療費補助があります
精神障害者の場合は、自立支援医療制度というものがあり、自治体に申請することによって精神医療が1割負担となります。こちらについては、精神福祉障害者手帳を持っていなくても対象となります。
また、精神障害者以外でも重度の障害者となると、医療費の助成があります。詳しくは市役所や区役所の障害福祉課に確認してください。
その他にも色々あります
私自身、障害者手帳のサービスをすべて把握できていません。障害者手帳のサービスも日々変わっていきます。そのため、新たな情報が分かりましたら、随時更新していきますね。
ディメリット
特にこれと言ってディメリットはありません。特にないのですが、障害者手帳を持っているという気持ちの面での自分は障害者なんだという感覚みたいなものがあります。また、障害者雇用枠などで障害をオープンにして働いていると、周りから障害者という目で見られる可能性があります。
まとめ
障害者手帳はメリットしかないと思います。ディメリットについても人に言わなければ、誰も障害者手帳を持っているとは分かりません。そのため、障害者手帳を取得することを迷っている人は取得した方がいいでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。